「ヒモ男」と聞いて、どんなイメージを浮かべるだろうか。
きっと、「女の子に養ってもらう」「だらしない」「寄生虫」など、良いイメージよりは悪いイメージが先行するだろう。
だが、メンヘラの女の子に言いたい。
「ヒモ飼いはいいぞ」
メンタルを安定させ、日々の不安を取り除いてくれる。
いわば、ヒモ男は精神安定剤である。
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ヒモ男とは
ヒモ男には実は色んな種類がある。
女性の家に転がり込んで住み、食事などの面倒を見てもらうのが一般的なヒモ男のイメージだろう。
もちろんそれが一番多いヒモ男の形だが、中にはそれに加えてお小遣いを貰うヒモ男や、欲しいものを買ってもらうヒモ男もいる。
ヒモ男自体もニートだったり働いていたりとさまざまだ。
ちなみに私のヒモ男はホストクラブで働いている。
お客さんとして行ったことはない。
職場から家が近い&ごはんが出てくるという環境に惹かれたようでヒモ男になった。
ヒモ男の待遇は、ヒモ男やヒモ飼いがお互いに何を求めるかで変わってくる。
知り合いの元ヒモ男は、月200万をもらう代わりに、ガチガチの束縛と色恋、ずっと家にいる、家事を完璧にこなす、他の女の子の連絡先を消すのが条件であった。
結局、疲れてしまって関係解消したんだとか。
ヒモ男はたった1人の機嫌を伺いまくる職業なので大変だなと思う。
飼っておいて言うのもなんだが、私は絶対にヒモ男になりたくない。
なぜヒモ男を飼ったのか
なぜヒモ男を飼ったのかと言えば、寂しいから。これに尽きる。
一人暮らしは寂しい、癒しが欲しい。しかし急に彼氏や家族ができるわけではないし、猫や犬は喋れない。
じゃあ喋れる相手を飼えばいい。
まるで「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と言ったマリー・アントワネットのような文言になってしまったが、ヒモ男ならすぐ見つかるし、なにより都合がいい。
ヒモ男はこちらが求めることをこなしてくれる。
それが癒しであれ、家事であれ、色恋であれ、話し相手であれ。
その対価として、衣食住を提供する。
ヒモ男と聞くと、女性がヒモ男に一方的に搾取されるようなイメージがあるが、結構win-winな関係ではないか?と思う。
というかもう専業主夫じゃない?これ。
ペットも主夫も兼ねてくれるとか、ヒモ男最高。
ちなみに、ヒモ志望の男子はバリバリに稼いでいる風俗嬢を探すといいだろう。経済的に余裕のある女性のほうがヒモ飼いテクもしっかりしていることが多いからだ。美人だし。
ヒモ男を飼ったらメンヘラがなおった話
きっと私がヒモ男に求めているものは『家族』の役割。
仕事で疲れて家に帰ったら「おかえり」と言ってくれる存在。
今日はどうだった?とお互い、その日のことを取り留めもなく話す安らかな時間。
「おやすみ」と言って2人で寝る暖かさ。
そういったものを、私は求めていた。
それが満たされて生活基盤が安定したことで、私のメンタルは安定した。
元々が恋愛体質で、付き合う彼氏とは同棲や半同棲ばかりしていた。
ところが彼氏を作らなくなってから、自分の所在がわからなくなり、病んだ。
生きる意味ってなんだろう、何のために生きてるんだろう…
誰かのために生きていない日々は、退屈で彩りが無かった。
一人暮らしは孤独だ。
当たり前だが、誰かと予定を立てない限り、人に会うことがない。
かと言って毎日毎日予定を立て続けるのは疲れる。
そう思うと、何も予定を立てなくても当たり前に家に帰れば人がいる環境が整っている「家族」や「同棲」は、すごく幸せだったんだなと思った。
夢中になれる相手がいない人生は、神を失った宗教だ。
人に依存するなと言われても、自立の仕方がわからない。
でも、人間は何かに寄りかかって生きていたい生き物だと思う。
結局、調子の良いときに歌舞伎町へ繰り出し、担当を探しつつ、一夜の孤独を埋めるという日々が続いた。
とにかく寄りかかれる人間が欲しかったのだ。
そんな中で見つけたのが「ヒモ飼い」という形。
私にはピッタリだった。
バリキャリ思考なのもあって、彼氏作りまで手が回らない上に、ホストに通ってるせいで一般の男では満足できない。
ヒモ男はホストより金が掛からないし、彼氏みたいに喧嘩やすれ違いもあまり無いし、お互い良い距離を保って安定して長く一緒にいることができる。
孤独と寂しさを感じることのない毎日が手に入った。
毎日会えるひとを探さなくても、家に帰ればヒモ男がいるのだ。
そのため、夜遅くまで飲み歩くことも減った。
それに伴って生活リズムも整い、ごはんもしっかり食べるようになった。
ヒモ男と起き、ヒモ男とごはんを食べ、各々出勤や予定に出かけていく。
そのルーティンが作られたことで、心だけでなく身体の健康も手に入れることができた。
人と生活するって偉大だ。
ヒモ飼いは、メンタルを救う。
ヒモ飼いの「誰かの役に立っている」感
私がヒモ男を飼って良かったなと思う理由に「誰かの役に立っている感」がある。
持論だが、人は本質的に『誰かに貢献していきたい』という心理が働いている。
それを手軽に満たしてくれるのがヒモ男である。
ヒモ男になる人間は基本、経済的に困窮している。
そのため、普通の生活を送れていない場合が多い。
そこに毎日美味しいごはんが出て、自由に生活用品や洋服を買ってもらえて、綺麗な寝床があるだけで、生き生きし出す。
真意はどうあれ、満面の笑みで感謝する。
「ああ、私は人の役に立ててるんだ」と思う。
更にヒモ男の生活基盤が安定することで、何かに挑戦しようとする心の余裕が生まれる。
そこで仕事のモチベーションが上がると相乗効果だ。やる気があれば当然、結果も自ずとついてくる。
仕事の相談はもちろん乗るが、己の力でヒモ男が成長していく姿を見るのは、まるで子の成長を見守る親のようで感慨深い。
結果、ヒモ男はホストで月1000万を超える売れっ子プレイヤーになった。
ペットや家族の役割だけでなく、子の成長を見守る親のような体験もさせてくれるなんて、ヒモ男超最高。
まとめ:ヒモ飼いの心得
ここまでヒモ男がいかに良いかをツラツラと語ってきたが、これだけは覚えていてほしい。
ヒモ男になる人間にまともな人間はいない。
今まで書いた文章すべてをひっくり返すようなことを言うが、ヒモ男志望の人間はロクな人間がいない。
まともなヒモ男を探すのは、地面に落としたコンタクトを探すぐらい難しい。
飼ったヒモ男がとてつもなくダメ男だったら即座に捨てる勇気が必要である。
ヒモ男は一緒に過ごす時間が長い分、どうしても依存しがちである。
しかし、一方的に搾取される関係は長く続けてもハッピーエンドにはなれない。
逆に、もしまともなヒモ男に会えたら、本当に大事にするべきだ。きっとお互いにwin-winの関係を築くことが出来る。
せっかく関わるなら、お互いの利益になる関係がいい。
私は今飼っているヒモ男を、飼って良かったなと思う。